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公務員試験の種類を徹底解説!国家・地方・職種別の違いをわかりやすく紹介

「国家公務員と地方公務員、どっちが自分に向いている?」
「大卒程度と高卒程度ってなにが違うの?」

公務員試験について調べ始めると、こうした疑問が次々とでてくるのではないでしょうか。
この記事では、公務員試験の種類を国家・地方・職種別にまとめ、試験区分や難易度の目安までわかりやすくご紹介します。


◆公務員試験の種類◆
〜「国家」と「地方」の違いを理解しよう〜


公務員を目指すなら、まずは「国家公務員」と「地方公務員」の違いを押さえておきましょう。勤務先や仕事内容、働き方に大きな違いがあります。

◎国家公務員と地方公務員の違い

公務員は、まず大きく分けて国家公務員と地方公務員の2種類に分類されます。

種類

勤務先

主な仕事内容

国家公務員

国の機関

・行政機関12府省庁

・国会

・裁判所 等

国全体の政策の企画立案など、長期的な視点の業務

地方公務員

地方自治体

・都道府県

・市区町村 等

地域住民の生活をより良いものにするための行政サービス

国家公務員は、全国転勤や留学、地方自治体への出向など、広範囲に及ぶ異動が多く発生します。

一方、地方公務員は、地域採用が基本となり、転居を伴う異動は少なめです。仕事内容は幅広く、部署異動で担当業務が大きく変わります。

なお、給与については「職種別民間給与実態調査」をもとに調整されているため、国家公務員と地方公務員の間で大きな差は生じにくい仕組みになっています。

◎試験区分は主に「大卒程度」と「高卒程度」

公務員試験では、求められる学力レベルの目安として「大卒程度」「高卒程度」といった区分が設けられています。これは最終学歴ではなく、試験の難易度を示すものです。

〜大卒程度試験の特徴〜

大卒程度の公務員試験は出題範囲が広く、難易度も高いため、合格には計画的な学習が必要です。試験内容は、教養試験・論文試験に加え、専門試験が課されるケースが多くあります。

▼目指せる職種
●国家公務員の総合職(キャリア候補)
●一般職(大卒程度)
●専門職(国税専門官など)
●地方公務員の大卒程度
(地方上級)
●市役所職員など

〜高卒程度試験の特徴〜

高卒程度の試験は、大卒程度と比較すると出題範囲がややせまく、難易度が比較的低めに設定されています。試験内容は、教養試験・作文試験が基本で、一般的に専門試験は課されません。

▼目指せる職種
●国家公務員の一般職(高卒程度)
●専門職(皇宮護衛官、刑務官など)
●地方公務員の初級(高卒程度
)、中級(短大卒程度 )試験など

 

◆【職種別】国家公務員試験の種類と区分◆

国家公務員試験は、主に総合職、一般職、専門職の3つの職種に大別されます。それぞれの役割と試験区分を見ていきましょう。

◎総合職

国家総合職は、国の政策の企画立案など、高度な知識や技術を必要とする係員です。中央省庁の幹部候補である、キャリア官僚を採用する試験と位置づけられています。

区分(大卒程度)

法文系区分:「政治・国際・人文」「法律」「経済」「人間科学」「教養」

理工系区分:「デジタル」「工学」「数理科学・物理・地球科学」「化学・生物・薬学」

農学系区分:「農業科学・水産」「農業農村工学」「森林・自然環境」


◎一般職

国家一般職は、主に事務処理等の定型的な業務に従事する係員です。各府省の出先機関などで勤務し、施策の実行を担います。

区分(大卒程度)

事務系:「行政」「教養」

技術系:「デジタル・電気・電子」「機械」「土木」「建築」「物理」「化学」「農学」「農業農村工学」「林学」

▼区分(高卒者、社会人試験(係員級))

●事務系:「事務」

●技術系:「技術」「農業」「農業土木」「林業」


◎専門職

特定の省庁で専門的な業務に就く職種です。採用後は各分野のスペシャリストとして活躍します。

▼区分(大卒程度)

皇宮護衛官(大卒程度)

●刑務官(大卒程度) ※2026年度より新設

法務省専門職員(人間科学)

財務専門官

国税専門官

食品衛生監視員

労働基準監督官

航空管制官

海上保安官

▼区分(高卒程度)

税務職員

皇宮護衛官(高卒程度)

刑務官(高卒程度)

入国警備官

航空保安大学校

気象大学校

海上保安大学校

海上保安学校


◆【職種別】地方公務員試験の種類と区分◆

地方公務員の職種は、事務系職種、技術系職種、資格免許職種、公安系職種の4つに大別されます。

◎事務系職種

1.地方上級・地方中級

都道府県・政令指定都市で行政事務を担う職種です。大卒程度を「地方上級」、短大・高専卒程度を「地方中級」と呼びます。地方上級は広域行政や政策立案など、高度な業務に従事しています。

2.市役所試験

政令指定都市以外の市役所で地域に密着した行政事務を担当します。政令指定都市以外の大卒程度試験を「市役所上級」と呼ぶことが一般的です。

自治体によっては、公立学校に勤務する「学校事務(教育事務)」、警察本部や警察署等に勤務する「警察事務」といった区分を設けています。

◎技術系職種

「土木」「建築」「機械」「電気」「化学」「農業・農学」などの専門知識や技術を活かした業務を担います。試験は、教養科目と各専門試験が実施されます。

資格免許職種

「保健師」「看護師」「保育士」「管理栄養士」など、特定の資格や免許が必要な業務を担う職種です。試験は、技術系職種と同様に教養科目と各専門試験が実施されます。

◎公安系職種

警察官、消防官が該当する職種です。警察官は都道府県職員、消防官は原則、市役所職員として採用されます。試験は、教養系科目と作文に加え、体力試験や身体条件の確認が行われます。

※東京都の場合、警察官は警視庁職員、消防官は一部の市を除き東京消防庁の職員として採用されます。


◆公務員の種類別難易度◆

公務員試験の難易度は、試験種別によって求められる能力や専門性、試験形式(筆記・論文・面接の比重)が異なるため、単純な比較は難しいものがあります。

近年は人物重視の採用が進み、面接の配点が筆記試験の2倍以上に設定されるケースも増えてきました。

▼難易度の目安

レベル

主な試験

最難関

国家総合職、裁判所事務官(総合職)

外国語特化

外務省専門職員、防衛省専門職員

標準

国家一般職、国税専門官、地方上級

基礎

市役所、皇宮護衛官、海上保安官、公安職

公務員試験は採用人数があらかじめ決まっているため、競争率が高くなる傾向にあります。しかし、難易度を過度に気にするよりも、自分が目指す職種に合わせて情報収集を行い、計画的に学習を進めることで合格に至ることができるでしょう。


◆まとめ◆

公務員試験は、国家公務員と地方公務員に大別され、さらに総合職、一般職、事務系、技術系、公安職など様々な種類があります。自分に合った職種を選ぶには、仕事内容や勤務地、働き方を詳細に把握することが重要です。

試験によって難易度は様々ですが、最終的な合否は人物重視の面接が握っています。希望職種を絞り込んだら早めに情報を集め、計画的に対策を進めていきましょう。

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