公務員試験の科目は?〜教養・専門の主要科目のまとめ〜
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公務員試験は科目が幅広く「何から勉強すべきかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。公務員試験の合格には、出題数の多い科目に時間を集中させ、出題数の少ない分野を省くといった工夫が求められます。
今回は、教養・専門科目にはどのような科目があるのかを解説し、優先すべき主要科目、失敗しない「捨て科目」の作り方までをご紹介します。
公務員試験の筆記科目は「教養」と「専門」
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公務員試験の筆記科目は「教養科目」「専門科目」で構成され、志望する自治体や職種によって、科目の内訳や出題数が異なります。
◆教養科目:多くの公務員試験で出題される分野。中学・高校で学んだ社会や理科に近い「知識分野」と、公務員試験独特ともいえる「知能分野」に分かれる。国家公務員試験などで「基礎能力試験」という名称になっている。
◆専門科目:大学の専門課程で学ぶ法律・経済・政治学など中心。試験・職種によって、「専門試験があるかないか」「択一式か記述式か」といった違いがある
▼試験区分ごとの解答数目安
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試験区分 |
教養科目 |
専門科目 |
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国家総合職(大卒程度)の多くの区分 |
30問 |
40問 |
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国家一般職(大卒程度)の多くの区分 |
30問 |
40問 |
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国家専門職(大卒程度) |
30問 |
40問 試験によって異なる |
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国家一般職(高卒程度) |
40問 |
事務系は適性試験・作文、技術系は専門試験 |
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東京都Ⅰ類B |
40問 |
記述式で3題 |
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特別区I類事務 |
40問 |
40問 |
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警視庁警察官Ⅰ類 |
30問 または SPI |
—(論文試験) |
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東京消防庁消防官Ⅰ類 |
40問 または SPI |
—(論文試験) |
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地方上級 |
40〜50問程度 |
40問 |
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市役所 |
40問が一般的 |
自治体により異なる |
※自治体や年度によって異なるため、必ず受験先の最新情報を確認しましょう。
教養科目の一覧と重要科目
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教養科目は、知能を問う「知能分野」と、知識を問う「知識分野」に大別されます。公務員として求められる基礎的な能力が問われる試験です。
出題のメインは「知能分野」|数的処理と文章理解
教養科目のなかで最も配点が高く、全体の約4~8割を占めるのが知能分野です。国家公務員の教養試験では約8割、地方上級の全国型では約5割、関東型では4割、市役所では5~7割がこの分野から出題されます。
暗記だけでは対応し切れないため、解法パターンの習得が不可欠です。
◆数的処理:教養科目の中で最も配点が高く、合否を分ける科目。数学的な知識だけでなく論理的思考力も問われる
・数的推理:方程式や確率、図形など、中学入試の算数に近い計算問題
・判断推理:対応関係や暗号などの推理系と展開図などの空間系がある。パズル的な要素が強い
・資料解釈:グラフや図表から数値を読み取り、増加率や構成比を計算・判断する問題
◆文章理解:長文読解が中心。数的処理の次に出題数が多い
・現代文:センター試験(共通テスト)レベルの読解問題。要旨把握や空欄補充が中心
・英文:英語の長文読解。単語力と速読力が求められる
・古文、漢文:ごく一部の試験で出題されるが、出題数は少ない
高校までの知識が問われる「一般知識」|人文科学・自然科学・社会科学
知識分野は高校までに習った科目から幅広く出題されるため、頻出分野に絞った学習が効率的です。
●社会科学(政治・経済・法律・社会 など):専門科目と内容が重複しやすく、行政職志望者は得点を伸ばしやすい分野
●人文科学(日本史・世界史・地理・思想・文学芸術 など):歴史や地理が出題の中心
●自然科学(数学・物理・化学・生物・地学):文系の受験者は、暗記科目の生物や地学を得点源にする傾向がある
●時事:社会問題・法改正・国際情勢などが出題される。教養記述(論文・作文)や面接対策にも直結
専門科目の一覧と重要科目
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専門科目は、行政職(事務職)、心理職、技術職など、受験する職種によって試験内容が異なります。ここでは、最も受験者数が多い行政職(事務系)を中心に見ていきましょう。
行政職の専門科目は主に「法律系」「経済系」「行政系」の3分野に分かれています。
専門科目の柱「法律系科目」|憲法・民法・行政法
公務員試験で出題数が多く、学習の優先順位が高いのが法律系科目です。
●憲法:人権と統治機構(国会・内閣・裁判所)が範囲。暗記要素が強く、取り組みやすい科目
●民法:総則・物権・債権・親族相続など、私生活の法律関係を扱う。ボリュームが多く難易度も高めだが、出題数が多い重要科目
●行政法:行政の活動や組織、救済制度に関する法律。判例や条文の暗記で対応できる部分が多く、得点源になりやすい科目
●その他(刑法・労働法・商法 など):裁判所事務官や労働基準監督官といった特定の職種で重要
出題数が多い「経済系科目」|ミクロ経済学・マクロ経済学・財政学
計算問題やグラフの読み取りなど理系的な思考が求められるため、苦手意識を持つ受験生が多い科目です。しかし、一度マスターしてしまえば安定した得点源になります。
●ミクロ経済学:家計や企業の行動、市場のメカニズムを分析。計算問題が多く出題される
●マクロ経済学:国全体の経済活動(GDP、インフレ、財政金融政策など)を扱う
●財政学:国の予算や税制、経済政策について。ミクロ・マクロ経済学の基礎を固めてから取り組むと効率よく理解できる
暗記中心で取り組みやすい「行政系科目」|政治学・行政学・社会学
政治や行政の仕組み、歴史的な理論を学ぶ科目です。暗記中心で進められるため、法律や経済に比べて学習の負担は比較的軽めといえます。
●政治学:政治の歴史、制度、思想 など
●行政学:行政組織の理論や人事制度、地方自治 など
●社会学・国際関係:社会調査の手法や国際政治の理論 など
「科目数が多すぎる...」と感じたら?失敗しない捨て科目と重要科目の選び方
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公務員試験は約20〜30科目にも及び、さらに短期間の学習で合格するほど容易な試験ではありません。そのため、重要科目を絞り込むことがポイントになります。ここからは、合格ラインに届く科目の絞り方を見ていきましょう。
まずは出題数の多い「教養(知能分野)」+「専門(主要5科目)」を攻略しよう
全科目を均等に勉強するのではなく、出題数の多い主要科目に時間の7〜8割を割り当てましょう。
教養科目は、知能分野の数的推理と判断推理を最優先に対策します。数的推理は解法テクニックの習得に時間がかかるため、試験勉強の初期から毎日コツコツ解く習慣をつけるのが合格のポイントです。
専門科目では、憲法、民法、行政法、ミクロ経済学・マクロ経済学の主要5科目を固めます。この5科目は出題数が多いうえ、併願先でも共通して出題されるため、学んだ知識をそのまま活かすことが可能です。
「捨て科目」は全体の1割が目安
出題数が1〜2問と、少ない科目をあえて勉強しない「捨て科目」とするのは、効率よく学習を進める手段のひとつです。例えば、次のような科目が捨て科目の候補に挙げられます。
▼捨て科目の一例
●自然科学:数学、化学(各1問程度)
●人文科学:思想、文学・芸術(各1問程度)
●文章理解:古文(1問程度)
ただし、捨て科目の割合は全体の1割程度に抑えましょう。それ以上削ると合格のボーダーラインに届かなくなる可能性があります。
まとめ
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公務員試験の科目対策について、次のポイントを押さえておきましょう。
●筆記科目は「教養科目」と「専門科目」の2種類。試験区分によって出題パターンが異なる
●教養科目は知能分野(数的処理・文章理解)の配点が高く、最優先で対策したい分野
●専門科目は法律系・経済系・行政系の3分野がメイン。特に憲法・民法・行政法・ミクロ経済学・マクロ経済学の「主要5科目」が合否を左右する
●出題1〜2問の科目は「捨て科目」にして、主要科目に学習時間を集中させるのが効率的
まずは志望先の試験科目を確認し、優先順位をつけて対策を始めてみてください。