氷河期世代の公務員転職ガイド|試験対策と勉強法【2026年度版】
![]()
就職氷河期世代を対象とした国家公務員の採用試験が、2026年度に再開されました。政府の新たな支援プログラムにより、2028年度まで継続する方針が示されています。受験要件は「年齢のみ」(国籍などの基本的な欠格事由に該当しない人を除く)で、これまでの職歴や学歴は一切問われません。
倍率は低くありませんが、出題傾向を絞った対策さえ行えば、仕事を続けながら独学で合格することも可能な内容です。
本記事では、氷河期世代が受けられる公務員試験の種類と倍率、独学での対策方法を解説します。
氷河期世代向けの公務員試験はある?【2026年度から国家公務員氷河期世代試験が再開】
![]()
2025年度は未実施だった氷河期世代向けの公務員試験が、2026年度に再開されました。
国と地方自治体に、1966年4月2日~1986年4月1日生まれを中心とした年齢の方を対象とした専用の採用枠が設けられています。政府の採用方針は2028年度まで続く予定です。
就職氷河期世代向け「中途採用者選考試験」とは?学歴・職歴は不問
国家公務員中途採用者選考試験(就職氷河期世代)は、政府からの要請を受けて実施される、就職氷河期世代を支援するための統一的な選考試験です。概要は次の3点をご覧ください。
● 第1次選考は人事院が、第2次選考は採用先となる各府省が実施
● 受験要件は生年月日のみで、職務経歴や学歴は問われない
● 筆記試験の出題は高等学校卒業程度
出典:2026年度 国家公務員 中途採用者選考試験(就職氷河期世代)|人事院
なぜ2026年度に再開された?新プログラムで2028年度まで継続方針
氷河期世代対象の中途採用者選考試験は、2020年度から2024年度まで5回実施されましたが、2025年度は行われませんでした。
しかし、2026年4月に決定された「新たな就職氷河期世代等支援プログラム」を受けて、2026年度から試験が再開されています。
対象年度は2026年度から2028年度のため、今年度の受験を逃しても翌年度以降に挑戦が可能です。
氷河期世代が受けられる公務員試験にはどんな種類がある?
![]()
氷河期世代が受けられる公務員試験は次の3つです。
1. 国家公務員の中途採用者選考試験(就職氷河期世代)
2. 地方自治体が独自に実施する氷河期世代採用枠
3. 民間での職務経験を活かす社会人経験者採用
それぞれ順に確認していきましょう。
【2026年度】国家公務員試験の受験資格と日程
受験資格は、1966(昭和41)年4月2日〜1986(昭和61)年4月1日生まれであることです。国籍要件などの欠格事由を除き、それ以外の条件はありません。2026年度の日程は次のとおりです。
▼2026年度中途採用者選考試験(氷河期世代)の日程
内容 | 日付 |
申込受付 | 2026年5月27日~6月5日 |
第1次選考 | 2026年9月6日 |
第1次選考通過者発表 | 2026年10月16日 |
第2次選考 | 2026年10月29日~11月11日 |
合格者発表 | 2026年11月18日 |
採用 | 2026年12月以降 |
試験区分は事務・技術・刑務官の3系統25区分で、採用予定数は全区分合計179名です(2026年6月時点)。
申込はインターネットで行います。ただし2026年度の受付はすでに終了しているため、これから準備する場合は翌年度以降の試験が目標になります。
出典:2026年度 国家公務員 中途採用者選考試験(就職氷河期世代)|人事院
地方公務員の氷河期世代採用枠は自治体ごとに日程が異なる
都道府県や市区町村でも、氷河期世代を対象とした職員採用試験を実施しています。対象年齢や日程、試験内容は自治体ごとに異なる点に注意してください。
自治体主導で実施される背景には、国を挙げた中途採用の推進があります。総務省は自治体の採用実績調査を公表しているほか、2025年6月にはより一層の中途採用推進を求める通知を発出しました。
地方の募集は今後も見込まれ、国家公務員試験の申込終了後でも、秋以降に募集を始める自治体があります。募集情報は、居住地や希望勤務地の自治体公式サイトの「職員採用」ページ、または総務省・内閣官房のまとめページで確認しましょう。
出典: 地方公共団体の氷河期世代中途採用推進に関する資料 |総務省
民間経験を活かすなら「経験者採用試験」も選択肢
氷河期世代枠とは別に、国家・地方ともに職務経験者向けの経験者採用試験が実施されています。
経験者採用は、民間企業などで培った職務経験やスキルをアピールできる試験区分です。業務経験を公務の仕事にどう活かせるかを伝えられる人は経験者採用、ブランクや非正規期間が長い人は氷河期世代枠、というように、自分の経歴に合う試験区分を選びましょう。
氷河期世代の転職で公務員試験は難しい?倍率と合格実績
![]()
国家公務員の氷河期世代枠では、2020〜2024年度の5年間で878人が合格しました。毎年150人以上という採用目標を5年連続で上回っています。年度別の合格者数は下表のとおりです。
年度 | 合格者数 |
2020年度 | 199人 |
2021年度 | 203人 |
2022年度 | 160人 |
2023年度 | 165人 |
2024年度 | 151人 |
合計 | 878人 |
※2024年度の実績には入国警備官区分(申込者41人・合格者5人)を含む
出典:国家公務員中途採用者選考試験(就職氷河期世代)の合格者発表|人事院
2024年度は申込者3,909人に対し、第1次選考の受験者は2,370人、最終合格者は151人でした。倍率は受験者ベースで約15.7倍、申込者ベースでは約25.9倍です。
区分別では事務が約21.2倍と最も高く、技術は約4.6倍、刑務官は約6.1倍と、区分によって難易度に大きな差があります。
倍率は高いものの、第1次選考は筆記試験の得点で決まるため、対策の積み重ねが合否を分けるといえるでしょう。
出典:2024年度 国家公務員中途採用者選考試験(就職氷河期世代)実施状況|人事院
氷河期世代(国家)の公務員試験対策
試験対策が必要なのは、基礎能力試験・作文試験・面接試験です。過去問演習を中心に進めれば、働きながらでも独学で十分に合格ラインを目指せます。
試験内容は「基礎能力試験・作文・面接」
基礎能力試験は多肢選択式40題で、解答時間は90分です。出題の内訳を確認しておきましょう。
● 知能分野20題:文章理解7、課題処理7、数的処理4、資料解釈2
● 知識分野20題:自然科学5、人文科学8、社会科学6、情報1
作文試験は1題50分です。得点化はされず合否のみが判定され、その成績は第2次選考の合格者決定に反映されます。
第2次選考は各府省での個別面接で、刑務官区分のみ身体検査・身体測定・体力検査が加わります。2024年度の試験問題は人事院サイトで公開されており、無料で入手できるのでチェックしてみてください。
出典:中途採用者選考試験(就職氷河期世代)|人事院
独学の進め方とおすすめ問題集・参考書5冊
独学は次の3ステップで進めると効率よく学習できます。
- 過去問で出題傾向をつかむ
- 出題数の多い知能分野(文章理解・課題処理・数的処理)を優先して演習する
- 作文・面接の準備を早めに始める
ここでは、各ステップの役割と、合わせて活用したいおすすめの参考書・問題集5冊を順番にご紹介します。
1. 2027年度版 国家一般職[高卒・社会人]基礎能力試験 過去問350
基礎能力試験の過去問を収録した問題集です。学習の最初に取り組み、出題傾向の把握と演習の軸にしましょう。
2. 2027年度版 公務員試験 採点官はココで決める!社会人・経験者の合格論文&面接術(単行本)
採点官の視点から、社会人・経験者の論文と面接の評価ポイントをまとめた対策書です。作文試験と第2次選考の対策に役立ちます。
3. 2027年度版 社会人が受けられる公務員試験 早わかりブック
社会人が受験できる公務員試験の制度と出題例をまとめたガイドです。試験の全体像をつかむ際に使えます。
高卒程度試験の主要科目を1冊にまとめた総合問題集です。直前期の総仕上げに向いています。
5. 公務員試験[高卒程度・社会人]初級スーパー過去問ゼミ判断推理[改訂版](単行本)
基礎能力試験の課題処理に対応する、判断推理の科目別問題集です。苦手分野の集中補強に活用しましょう。
就職氷河期世代向けの中途採用者選考試験は、職歴や学歴を問われず、筆記は高卒程度レベルです。倍率は高いものの、対策次第で十分に手が届きます。過去問で傾向をつかみ、知能分野から着実に積み上げ、作文と面接の準備を早めに進めていきましょう。